ホエールウォッチング

 美術館からKing Streetまで歩いてバスに乗った。そしてアラモアナセンターで降り、待ち合わせ場所まで行った。
 まだ誰もいなかったが、ちょっとしたらAちゃんが来た。そしてぞろぞろとみんな集まった。そしてみんなで円になってご飯を食べた。私はいつもどおりサンドイッチを作ってきていた。
 そのあと好き勝手にしゃべったりビーチで遊んだりしたあとに、船の乗り場に行った。
 InterchangeのUHの学生も一緒で、それから他のお客さんもいた。
 前のTermでNICEにいたが今はHELPに通っているという男性が来ていた。私が韓国人の子達と一緒にいるのと、私の風貌から、「なんで日本語そんなに喋れるんですか」と聞かれた。「私、韓国人じゃないですよ」と言ったら驚いていた。もっと驚いていたのはMツさんで、「おいおまえー、日本人じゃ、なに言うとんねん」とすごい勢いで否定してくれた。
 しかし、見た目がいくら韓国人ぽいとしても、日本語が喋れるのを見ても日本人だと思わずに日本語を喋れる韓国人だと思っていたその人もすごい。
 船に乗って沖のほうまで行った。あまりにも揺れるので驚いた。座っていると船にそのまま体を預ける格好になり、右に左に体が揺れてしまうので、私はなるべく立って体を垂直に保つようにしていた。
 わりとすぐに鯨の背中が見えた。最初見えた時はだれかがオオッと声を上げ、それからみんながそちらのほうへ寄っていった。船内には英語と日本語のアナウンスが交互に流れており、日本人の女性が説明をしていた。「これは、赤ちゃんの鯨ですね」など。
 少ししたら気分が悪くなってきた。最初はちょっとふざけて「もう見たからいいよ、帰りたいー」などと話していたのだが、途中から喋れないほど気持ち悪くなってしまった。
 Cイが「顔の色が変わったよ」などと言っていたが、ごめんなさい、返す元気もない。Kコさんが「薬持ってるよ。飲む?」と言ってくれたのでもらった。すぐには聞かないだろうと思っていたので油断はできない。30分経った頃に「30分くらい経ったら効いてくるらしいんだけど、最初に言ったらまずいかなと思って」と、優しい人だ。その頃にはずいぶんよくなっていた。しかし船の真ん中の椅子に座って、眠るようにじっとしていた。
 子供の頃から乗り物酔いがひどく、何に乗っても酔っていた。大人になってからは車などでは酔わなくなったが、こんなに揺れてしまうともうだめだ。しかし辛かった。
 ホールウォッチングは、鯨がどうこうというよりも船酔いの印象ばかり残ることになってしまった。