コンペティション2008

 先日、2度目のコンペティション出場。今回は入賞しなかったけど、悔いを残さずやれたと思う。
 私は大好きな仕事に就いていて、大事な家庭もあるので、生活の中でフラが一番、とはいいきれない。でもコンペに出るなら中途半端にしないで精一杯やろうと思った。やるからには、仕事も家庭も犠牲を強いられるだろうと覚悟していた。
 練習が始まる前に夫にちゃんと説明して、「迷惑かけると思うけど、ごめんね。出てもいい?」って聞いた。仕事も「フラのコンペに出ます。中途半端にしたくないので、仕事を減らしたいです」と社長に説明した。
 どちらも受け入れてくれて、応援してくれた。


 私の仕事はライターなので、仕事の質や量が私のキャリアを決める。ほかの仕事でもそうなんだけど、ライターというのは個人が評価されるので、実績や人脈がかなり大事。有名になったほうがもちろんギャラもいいし仕事の量も増える。ただそのためには普通の人の2倍も3倍もがんばらなくちゃいけないわけで、仕事を自ら減らすなんて、なんというか、もってのほか。
 これから子供も産みたいし、そのときは本当に仕事を減らさなくてはいけない。そういうときのためにも、フラのコンペがあるたびに、半年以上も仕事を減らすわけにはいかないと思った。だから、今年は迷わず出て、来年以降は迷わなくて済むように、今年で最後にしようと考えていた。(実際、仕事を減らしてから収入は2/3くらいになってしまったと思う)
 私はやりたいことをガマンするのが大嫌い。本当に嫌い。だからこれからやりたいと思わなくて済むように、今年出し切ってしまおうと思った。悔いのないように。
 でも、実際そのときになったらやりたくなってしまうのかもしれないと思って、あまり公言はしていなかった。
 だけど終わってみたら、本当に悔いがなくて、コンペは最後にしていいって思った。
 私はコンペに出るためにフラをやっているんじゃない。コンペみたいな厳しい環境にさらされることで強く感動するってことはあるけれど、普段の小さな日常にも感動や幸せがあるのがフラだと思うからね。


 で、当日。
 カヒコとクプナとアウアナ、うちのハラウは全部出た。私はカヒコとアウアナに出た。


 カヒコを踊っているときは、前のほうだった。後ろを向く振り付けでみんなが見えたとき、「一緒に練習したみんなで踊っているんだ」ってすごく実感した。緊張して笑顔がブルブルだったけど、「みんながいるから大丈夫」って思ったら少し落ち着いて、ブルブルが半分くらいになった。
 いつも通り踊れたと思うけど、かなり緊張した。前回出たときは前半頭が真っ白だった。今回は頭は働いているのだけど、顔が震えた。


 アウアナに出る前のヘアメイクは、自分でやるのではなくやってもらった。スタッフの人たちは立ちっぱなしで休憩もせずに何人も何人もセットしている。
「疲れたでしょ?」と聞いたら、「腰が痛い」って。それから、「メイクが間に合わない夢を見た」って言っていた人もいた。実際に踊る私たちと、同じ気持ちなんだって思った。


 アウアナはカヒコより練習が少なかったのもあって、出る前に結構緊張した。
 直前に緊張しておいたからか、ステージに出てからはそうでもなかった。いつも通りに踊れたし、何よりよかったのは、本当に楽しくて幸せだったこと。
 終わった後、カーテンの後ろに下がった直後に泣けてきて、控え室に戻ってみんなと泣きながらハグをした。
 特に、カヒコもアウアナも隣だったAちゃんには本当に感謝、感謝で、揃うようにたくさん話し合って練習したし、いろんな意味でとっても頼ってしまった。「maliuが隣でよかった」って言われて、ますます泣けた。ありがとう。
 控え室に戻る途中に「私はやっぱり今年が最後でいいな」って思った。1カ所間違えて、1回グラついて、1回ドレスを踏んだけど、悔いなく踊れたって自分が思ったからね。


 そんなコンペティションでした。帰りに5人くらいで飲みに行って、フラの話もしたけど別の話もたくさんして、お腹がよじれるほど笑った。
 見に来てくれていた私の母からとっても感動的なメールが来た。でも「コンペティションに出られるだけでもすばらしいよね」の冒頭1行が「コンペティン」になってて、みんなに見せたら「深い」って、感動メールに涙しつつも笑ってた。泣き笑い。